睡眠サプリのグリシンは効果ある?おすすめ商品と選び方を解説

睡眠サプリのグリシンは効果ある?、おすすめ商品と選び方を解説

「夜、布団に入ってもなかなか寝付けない」「ぐっすり眠ったはずなのに、朝起きると疲れが取れていない」「日中に強い眠気を感じて仕事に集中できない」。現代社会において、このような睡眠に関する悩みを抱える人は少なくありません。質の高い睡眠は、心身の健康を維持し、日中のパフォーマンスを最大限に発揮するために不可欠な要素です。

様々な睡眠改善策がある中で、近年注目を集めているのが「グリシン」という成分です。グリシンはアミノ酸の一種で、私たちの体内でも作られている身近な成分ですが、サプリメントとして摂取することで、睡眠の質を向上させる効果が期待できるとされています。

しかし、「グリシンって本当に効果があるの?」「副作用はないの?」「たくさん種類があるけど、どれを選べば良いかわからない」といった疑問や不安を感じる方も多いでしょう。

この記事では、睡眠の悩みを抱える方に向けて、グリシンの効果の仕組みから、具体的なサプリメントの選び方、効果的な飲み方、そして安全性に至るまで、網羅的に詳しく解説します。さらに、2024年最新のおすすめグリシンサプリもご紹介します。

この記事を最後まで読めば、グリシンに関する正しい知識が身につき、自分に合った方法で睡眠の質を改善するための第一歩を踏み出せるようになります。快適な睡眠とすっきりとした目覚めを手に入れるために、ぜひ参考にしてください。

グリシンとは

グリシンとは

まずはじめに、「グリシン」とは一体どのような成分なのか、その基本的な性質について理解を深めましょう。グリシンは、睡眠サポート成分として注目される前から、私たちの身体にとって重要な役割を担ってきた栄養素です。その正体を知ることで、なぜグリシンが睡眠に良い影響を与えるのか、より深く理解できます。

体内で合成されるアミノ酸の一種

グリシンは、タンパク質を構成する20種類のアミノ酸のうちの一つです。アミノ酸は、体内で合成できる「非必須アミノ酸」と、食事から摂取する必要がある「必須アミノ酸」に分けられますが、グリシンは体内で合成可能な「非必須アミノ酸」に分類されます。主に、同じくアミノ酸の一種であるセリンから体内で作り出すことができます。

「非必須」と聞くと、重要ではない成分のように感じられるかもしれませんが、決してそのようなことはありません。グリシンは、人間の身体を構成するタンパク質の中で、最も単純な構造を持つアミノ酸でありながら、非常に多くの生命活動に関与しています。

その代表的な役割の一つが、皮膚のハリや弾力を保つコラーゲンの主要な構成成分であることです。コラーゲンを構成するアミノ酸のうち、約3分の1はこのグリシンが占めています。そのため、グリシンは美容や健康維持の観点からも非常に重要な成分といえます。

また、グリシンは中枢神経系において、興奮を鎮める働きを持つ「抑制性神経伝達物質」としても機能します。この神経を落ち着かせる作用が、後述する睡眠への効果にも深く関わってくると考えられています。

このように、グリシンは私たちが生命を維持していく上で欠かせない、基本的ながらも多機能なアミノ酸なのです。体内で合成されるとはいえ、その必要量は多く、時には食事やサプリメントで補うことが有効になる場合があります。

日常の食事からも摂取できる成分

グリシンは体内で合成されるだけでなく、私たちが日常的に口にする様々な食品にも含まれています。特に含有量が多いことで知られているのが、魚介類です。

例えば、エビ、ホタテ、カニ、イカといった甲殻類や軟体動物には、うまみ成分の一つとしてグリシンが豊富に含まれています。これらの食材を調理した際に感じる自然な甘みは、グリシンによるものも大きいのです。

その他にも、以下のような食品にグリシンは多く含まれています。

  • 魚介類: エビ、ホタテ、カニ、イカ、うに、カジキマグロ など
  • 肉類: 豚足、牛すじ、鶏皮 など(特にゼラチン質の部分)
  • その他: ゼラチン、高野豆腐、大豆製品 など

特に注目したいのが「ゼラチン」です。ゼラチンは動物の皮膚や骨に含まれるコラーゲンを加熱して作られるため、コラーゲンの主成分であるグリシンを非常に多く含んでいます。ゼリーやグミ、煮込み料理のとろみ付けなどに使われるゼラチンは、グリシンの優れた供給源です。

ただし、睡眠の質を改善する目的で推奨されるグリシンの量(後述する約3,000mg)を、毎日の食事だけで安定して摂取するのは容易ではありません。例えば、グリシンが豊富とされるホタテ貝柱でも、3,000mgを摂取するためには100g以上を食べる必要があります。これを毎日続けるのは、食費の面でも調理の手間の面でも現実的ではないでしょう。

そこで、効率的かつ手軽に十分な量のグリシンを摂取するための選択肢として、サプリメントが注目されているのです。サプリメントを利用すれば、食事内容に左右されることなく、毎日安定した量のグリシンを、就寝前などの最適なタイミングで摂取できます。

グリシンが体内で作られ、食品にも含まれる身近で安全な成分であること、そして、サプリメントがその効果を最大限に引き出すための有効な手段であることを理解しておくことが、グリシンを正しく活用するための第一歩となります。

グリシンが睡眠の質を高める仕組みと期待できる効果

スムーズな入眠を助ける、深い眠りの時間を増やす、すっきりとした目覚めを促す

グリシンがなぜ睡眠に良い影響を与えるのか、その科学的なメカニズムと、それによって期待できる具体的な効果について詳しく見ていきましょう。グリシンの働きを理解することで、単なる気休めではなく、身体の生理的なプロセスに基づいたアプローチであることがわかります。

深部体温を下げて自然な眠りをサポートする仕組み

質の高い睡眠を得るための鍵の一つに「深部体温」の変化があります。深部体温とは、脳や内臓など、体の中心部の温度のことです。私たちの体は、日中の活動時間帯は深部体温が高く保たれ、夜になって休息モードに入ると、この深部体温が徐々に低下していきます。そして、深部体温が下がる過程で、私たちは自然な眠気を感じるようにできています。

赤ちゃんが眠くなると手足が温かくなるのは、まさにこのメカニズムによるものです。体は、手足などの末梢部分の血管を広げて血流を増やし、体の表面から外部へ熱を逃がす(熱放散)ことで、効率的に深部体温を下げようとします。

グリシンは、この「熱放散」を促進する働きがあることが研究で示されています。グリシンを摂取すると、末梢の血管が拡張し、手足の血流量が増加します。その結果、体内の熱がスムーズに外へ逃げていき、深部体温が速やかに低下するのです。

つまり、グリシンは睡眠薬のように強制的に脳の活動を停止させるのではなく、人間が本来持っている「深部体温の低下によって眠りに入る」という生理的なメカニズムをスムーズにサポートすることで、自然で質の高い眠りへと導く役割を果たします。この点が、グリシンが安全性が高く、依存性の心配も少ないとされる大きな理由の一つです。

期待できる3つの効果

グリシンが深部体温を効率的に下げるというメカニズムによって、具体的にどのような効果が期待できるのでしょうか。主に以下の3つの効果が挙げられます。

① スムーズな入眠を助ける

「布団に入っても目が冴えてしまい、1時間以上も眠れない」といった入眠困難は、非常に辛いものです。この原因の一つとして、就寝時間になっても深部体温が十分に下がりきっていないことが考えられます。

グリシンを就寝前に摂取することで、前述の通り、末梢血管の血流を増やして熱放散を促し、深部体温の低下をサポートします。これにより、心身が自然にリラックスし、眠りに入りやすい状態が作られるため、ベッドに入ってから眠りにつくまでの時間(入眠潜時)が短縮される効果が期待できます。

無理に眠ろうと焦るのではなく、体が自然に眠りの準備を整える手助けをしてくれるため、精神的な負担も軽減されるでしょう。

② 深い眠りの時間を増やす

睡眠の質は、単に眠っている時間の長さだけでは決まりません。睡眠中、私たちの脳は浅い眠り(レム睡眠)と深い眠り(ノンレム睡眠)を約90分のサイクルで繰り返しています。中でも、脳と体を休息させ、成長ホルモンの分泌を促す上で特に重要なのが、ノンレム睡眠の中でも最も深い段階である「徐波睡眠(じょはすいみん)」です。

この徐波睡眠が十分に取れていると、朝起きた時に「ぐっすり眠れた」という満足感を得やすくなります。

グリシンの摂取は、スムーズな入眠を促すだけでなく、睡眠の前半部分で現れるこの最も深いノンレム睡眠(徐波睡眠)の時間を増やし、より早くその段階に到達させることが研究で報告されています。つまり、グリシンは睡眠の「量」だけでなく、「質」そのものを高める働きが期待できるのです。深い眠りが増えることで、脳と身体の回復が効率的に進み、睡眠によるリフレッシュ効果をより強く実感できるようになります。

③ すっきりとした目覚めを促す

夜間の睡眠の質は、翌朝の目覚めの良さに直結します。深い睡眠がしっかりと取れることで、脳の疲労が回復し、自律神経のバランスも整います。その結果、朝、すっきりと爽快な気分で目覚めることができるようになります。

また、グリシンを摂取した翌日には、日中の眠気が軽減され、疲労感が改善したという報告もあります。これは、夜間に質の高い睡眠が確保できたことで、日中の覚醒レベルが安定し、集中力や作業効率の向上にも繋がることを示唆しています。

睡眠導入剤の中には、翌朝に眠気やだるさが残ってしまう「持ち越し効果」が問題となることがありますが、グリシンは体内で速やかに代謝されるアミノ酸であり、生理的な睡眠をサポートする働きのため、翌朝への悪影響が少ない点も大きなメリットです。

このように、グリシンは「スムーズな入眠」「深い眠りの増加」「すっきりとした目覚め」という、睡眠の入り口から出口までを一貫してサポートすることで、総合的な睡眠満足度の向上に貢献する成分なのです。

グリシンサプリの安全性と副作用

体内で生成される成分、食品に含まれる成分、水溶性で蓄積しにくい

サプリメントを利用する上で、効果と同じくらい気になるのが安全性や副作用のリスクです。特に、毎日継続して摂取する可能性があるものだからこそ、正しい知識を持っておくことが重要です。ここでは、グリシンサプリの安全性と注意点について解説します。

基本的に安全性の高い成分

結論から言うと、グリシンは適切に摂取する限り、非常に安全性の高い成分であると考えられています。その理由は、これまで述べてきたように、グリシンが以下のような性質を持つためです。

  1. 体内で生成される成分: グリシンは、私たちの体内で日常的に合成されている非必須アミノ酸です。外部から取り入れた異物ではなく、元々体内に存在する成分であるため、アレルギーなどの拒絶反応が起こるリスクは極めて低いです。
  2. 食品に含まれる成分: グリシンは、エビやホタテ、肉類など、多くの一般的な食品に含まれています。私たちは普段の食事を通して、無意識のうちにグリシンを摂取しており、長い食経験の中でその安全性が確認されています。
  3. 水溶性で蓄積しにくい: グリシンは水溶性のアミノ酸であり、過剰に摂取した場合でも、体内に長期間蓄積されることはありません。必要分は利用され、余った分は速やかに代謝・分解されて体外へ排出されます。

これらの理由から、グリシンは医薬品のような依存性や習慣性の心配がなく、長期間にわたって安心して摂取できる成分とされています。日本の厚生労働省も、グリシンを食品添加物(栄養強化剤や調味料)として使用を認めており、その安全性は公的にも認められています。

過剰摂取による副作用のリスク

基本的に安全なグリシンですが、どのような栄養素でも同様に、「摂りすぎ」は身体に負担をかける可能性があります。グリシンサプリメントを利用する際は、製品に記載されている1日の摂取目安量を守ることが大前提です。

万が一、推奨量を大幅に超えて一度に大量のグリシンを摂取した場合、以下のような副作用が現れる可能性があります。

胃腸の不快感(下痢や腹痛)

グリシンの過剰摂取で最も報告されやすいのが、下痢や腹痛、吐き気といった消化器系の症状です。これは、アミノ酸などの特定の成分が腸内に高濃度で存在すると、腸管内の浸透圧が高まるために起こります。

腸は、内外の濃度差を解消しようとして、腸管内へ水分を引き込もうとします。その結果、腸内の水分量が増えすぎてしまい、下痢を引き起こすことがあります。これは、体質的に胃腸が弱い方や、空腹時に大量に摂取した場合に起こりやすいとされています。

ほとんどの場合、これらの症状は一時的なものであり、摂取量を適正に戻せば改善します。しかし、不快な症状を避けるためにも、必ず推奨されている摂取量を守り、初めて試す際は少量から始める、あるいは胃腸への負担が気になる場合は食後に摂取するなどの工夫をすると良いでしょう。

薬を服用中・治療中の場合は医師に相談

グリシンは安全性の高い成分ですが、特定の条件下では注意が必要です。特に、以下に該当する方は、グリシンサプリメントを自己判断で摂取する前に、必ずかかりつけの医師や薬剤師に相談してください。

  • 何らかの病気で治療中の方: 特に、肝臓や腎臓に疾患がある方は、アミノ酸の代謝に影響が出る可能性があるため、医師の管理下で摂取を判断する必要があります。
  • 他の医薬品を服用中の方: グリシンが他の薬の効果に影響を与える可能性は低いとされていますが、ゼロではありません。特に、睡眠導入剤や抗うつ薬、精神安定剤など、中枢神経に作用する薬を服用している場合、グリシンの鎮静作用が薬の作用を強めてしまう可能性も理論的には考えられます。相互作用を避けるためにも、専門家への相談は不可欠です。
  • 妊娠中・授乳中の方: 妊娠中や授乳中は、母親の身体が非常にデリケートな状態にあります。この期間におけるグリシンサプリメントの安全性については、十分なデータが確立されていません。胎児や乳児への影響を考慮し、摂取は控えるか、必ず産婦人科医に相談するようにしてください。

まとめると、グリシンは健康な成人が推奨量を守って利用する限り、非常に安全な成分です。しかし、過剰摂取は避け、持病や服用中の薬がある場合は、専門家のアドバイスを仰ぐという基本ルールを徹底することが、安心してサプリメントを活用するための鍵となります。

グリシンサプリの効果的な飲み方

摂取量とタイミングは適切か?、継続期間は十分か?、グリシン以外のサポート成分は必要か?、睡眠を妨げる生活習慣はないか?

グリシンサプリの効果を最大限に引き出すためには、ただ飲むだけでなく、「いつ」「どのくらい」飲むかといった、効果的な摂取方法を知っておくことが大切です。ここでは、グリシンサプリを飲む際の目安やタイミング、そして効果が感じられない場合のチェックポイントについて解説します。

1日の摂取量の目安

グリシンの睡眠改善効果に関する多くの研究や、日本で販売されている機能性表示食品の届け出情報を見ると、1日あたりの摂取目安量は3,000mg(=3g)とされているケースがほとんどです。

この3,000mgという量は、スムーズな入眠や深い睡眠の増加、すっきりとした目覚めといった効果を得るための基準となる量と考えられています。そのため、グリシンサプリを選ぶ際には、まずこの「3,000mg」という数値を念頭に置くと良いでしょう。

もちろん、製品によって1回あたりのグリシン含有量は異なります。1包で3,000mgを摂取できるものもあれば、数粒で3,000mgになるもの、あるいは含有量がそれより少ないものもあります。購入したサプリメントのパッケージや説明書に記載されている「1日の摂取目安量」を必ず確認し、それを守ることが最も重要です。

初めて試す場合や、胃腸への負担が心配な方は、目安量の半分程度から始めてみて、体調に問題がなければ徐々に目安量まで増やしていくという方法もおすすめです。自己判断で目安量を超えて摂取することは、前述した副作用のリスクを高めるだけなので避けましょう。

おすすめの摂取タイミング

グリシンの効果を睡眠の質の向上に活かすためには、摂取するタイミングが非常に重要です。グリシンが体内で作用し、深部体温の低下をサポートするまでにはある程度の時間が必要となります。

最もおすすめの摂取タイミングは、就寝の30分~1時間前です。

このタイミングで摂取することで、ベッドに入る頃にちょうどグリシンの血中濃度が高まり、末梢の血流を増やして深部体温を下げる働きが効果的に機能し始めます。これにより、体が自然に眠りの準備を整え、スムーズな入眠へと繋がります。

就寝直前すぎると、体内で作用する前に眠りにつこうとすることになり、十分な効果が得られない可能性があります。逆に、早すぎる時間に摂取すると、眠るべき時間よりも前に効果のピークが過ぎてしまうかもしれません。

また、サプリメントの吸収効率を考えると、空腹時の摂取が一般的に推奨されます。胃に他の食物がない状態の方が、成分が速やかに吸収されるためです。ただし、空腹時に粉末タイプのグリシンなどを飲むと、胃に不快感を覚える方もいます。その場合は、軽い夕食の後や、就寝前にホットミルクなどを飲む際に混ぜるなど、ご自身の胃腸の状態に合わせて調整してみてください。大切なのは、毎日無理なく続けられる自分に合ったタイミングを見つけることです。

効果が実感できないときのチェックポイント

「グリシンサプリを飲み始めたのに、いまいち効果が実感できない…」と感じることもあるかもしれません。その場合は、諦めてしまう前に、以下のポイントをチェックしてみましょう。

  1. 摂取量とタイミングは適切か?
    • まず、摂取量が推奨される3,000mgに達しているかを確認しましょう。製品によっては1粒あたりの含有量が少なく、目安量を摂取するために複数粒飲む必要があるかもしれません。
    • 飲むタイミングは就寝の30分~1時間前になっていますか?就寝直前や日中など、不適切な時間に飲んでいないか見直してみましょう。
  2. 継続期間は十分か?
    • サプリメントの効果の現れ方には個人差があります。体質やそれまでの生活習慣によって、すぐに変化を感じる人もいれば、数週間かかる人もいます。医薬品と違い、体質を穏やかにサポートするものなので、最低でも2週間~1ヶ月程度は継続して様子を見ることをおすすめします。
  3. グリシン以外のサポート成分は必要か?
    • 睡眠の悩みは複合的な要因によって引き起こされます。例えば、強いストレスや不安が原因で眠れない場合は、グリシン単体よりも、リラックス効果のある「テアニン」や「GABA」が一緒に配合された製品の方が効果を実感しやすいかもしれません。ご自身の悩みの原因に合わせて、成分を見直すのも一つの手です。
  4. 睡眠を妨げる生活習慣はないか?
    • サプリメントはあくまで睡眠をサポートする補助的な役割です。もし、就寝前にスマートフォンを長時間見ていたり、カフェインやアルコールを摂取していたり、不規則な生活を送っていたりすれば、グリシンの効果は半減してしまいます。後述する「グリシンの効果を高めるための生活習慣」を参考に、睡眠環境全体を見直すことが、効果を実感するための最も重要な鍵となります。

効果が出ないと感じた時は、これらの点を一つずつ確認し、改善できる部分から手をつけてみることが、快適な睡眠への近道となります。

失敗しないグリシンサプリの選び方 5つのポイント

グリシンの含有量で選ぶ、グリシン以外のサポート成分で選ぶ、サプリメントの形状で選ぶ、安全性と品質の高さで選ぶ、続けやすい価格かどうかで選ぶ

市場には多種多様なグリシンサプリメントがあり、どれを選べば良いか迷ってしまう方も多いでしょう。ここでは、自分に合った製品を見つけるために、購入前にチェックすべき5つの重要なポイントを解説します。

① グリシンの含有量で選ぶ

最も基本的で重要なポイントは、1回あたりの摂取目安量に含まれるグリシンの含有量です。前述の通り、睡眠の質向上を目的とする場合、多くの研究で1日3,000mg(3g)の摂取が効果的であるとされています。

したがって、サプリメントを選ぶ際には、まず成分表示を確認し、1回分で3,000mgのグリシンがしっかり摂取できる製品かどうかをチェックしましょう。

製品によっては、「グリシン配合」と謳っていても、実際には数百mgしか含まれていないものもあります。また、タブレットタイプの場合、1粒あたりの含有量が少なく、1回に10粒以上飲まないと3,000mgに達しない製品も存在します。これでは毎日続けるのが大変ですし、コストパフォーマンスも悪くなりがちです。

パッケージの目立つ表示だけでなく、裏面の「栄養成分表示」を細かく確認し、「グリシン:3,000mg」や「グリシン:3g」といった表記がある製品を選ぶことが、失敗しないための第一歩です。

② グリシン以外のサポート成分で選ぶ

グリシン単体のサプリメントも効果的ですが、ご自身の悩みに合わせて、他の睡眠サポート成分が配合された製品を選ぶのも賢い方法です。相乗効果により、より高い満足感が得られる可能性があります。代表的なサポート成分をいくつかご紹介します。

テアニン

テアニンは、緑茶に含まれるアミノ酸の一種で、リラックス効果やストレス緩和効果で知られています。脳内のα波を増加させ、心身を穏やかな状態に導く働きがあります。就寝前に摂取することで、興奮や緊張を和らげ、スムーズな入眠をサポートします。日中のストレスや考え事が原因で寝付けないタイプの方には、グリシンとテアニンの組み合わせが特におすすめです。機能性表示食品では、L-テアニンとして200mgの摂取が目安とされています。

GABA(ギャバ)

GABA(Gamma-Amino Butyric Acid/γ-アミノ酪酸)は、体内で作られるアミノ酸の一種で、脳の興奮を鎮める抑制性の神経伝達物質として機能します。ストレスを感じると活発になる交感神経の働きを抑え、心身をリラックスさせる副交感神経を優位にする働きがあります。精神的な疲労感が強い方や、プレッシャーで眠りが浅くなりがちな方は、GABAが配合された製品を検討してみると良いでしょう。

トリプトファン

トリプトファンは、体内で合成できない必須アミノ酸の一つです。トリプトファンの重要な役割は、「セロトニン」や「メラトニン」の原料となることです。セロトニンは日中に分泌され、精神を安定させる働きを持つ「幸せホルモン」とも呼ばれます。そして、夜になるとこのセロトニンを材料にして、睡眠を促すホルモンであるメラトニンが生成されます。生活リズムが乱れがちな方や、体内時計を整えたい方にとって、トリプトファンは睡眠の根本的なリズム作りをサポートしてくれる成分です。

③ サプリメントの形状で選ぶ

グリシンサプリは、主に「パウダー(粉末)タイプ」と「タブレット・カプセルタイプ」の2種類があります。それぞれのメリット・デメリットを理解し、ご自身のライフスタイルや好みに合わせて選びましょう。

パウダー(粉末)タイプ

  • メリット: 1回あたりのグリシン含有量が多い製品が豊富です。3,000mgを1包で手軽に摂取できるものが多く、効率的です。また、余計な添加物が少なく、体への吸収が速い傾向にあります。水やぬるま湯、ホットミルクなどに溶かして飲めるため、飲み方を工夫できるのも利点です。
  • デメリット: 製品によっては、グリシン特有の甘みや風味が気になる場合があります。また、毎回計量が必要なバルクタイプは手間がかかることがあります(個包装のスティックタイプならこのデメリットは解消されます)。

タブレット・カプセルタイプ

  • メリット: 味や匂いがほとんどなく、水で手軽にサッと飲めるのが最大の利点です。持ち運びにも便利で、旅行先や外出先でも摂取しやすいです。1回分の粒数が決まっているので、計量の必要もありません。
  • デメリット: 固形にするための賦形剤などの添加物が、パウダータイプより多く含まれる傾向にあります。また、1粒あたりのグリシン含有量が少ない製品もあり、3,000mgを摂取するために多くの粒を飲まなければならない場合があります。

飲みやすさや手軽さを重視するならタブレット・カプセルタイプ、含有量や効率、添加物の少なさを重視するならパウダータイプがおすすめです。

④ 安全性と品質の高さで選ぶ

毎日口にするものだからこそ、サプリメントの安全性と品質は絶対に妥協できないポイントです。信頼できる製品を選ぶための指標として、以下の点を確認しましょう。

GMP認定工場で製造されているかを確認

GMP(Good Manufacturing Practice)とは、「適正製造規範」と訳され、原材料の受け入れから製造、出荷までの全工程において、製品が「安全」に作られ、「一定の品質」が保たれるようにするための製造工程管理基準です。

もともとは医薬品の製造に用いられていた基準ですが、現在では健康食品にもこの考え方が導入されています。GMP認定工場で製造された製品は、第三者機関によって厳格なチェックを受けていることの証であり、高いレベルの品質と安全性が確保されていると考えられます。パッケージや公式サイトに「GMP認定工場製造」といったマークや記載があるかどうかを確認することをおすすめします。

⑤ 続けやすい価格かどうかで選ぶ

サプリメントは、医薬品と違って即効性を求めるものではなく、継続して摂取することで体質を穏やかに改善していくものです。そのため、無理なく続けられる価格であるかどうかも、非常に重要な選択基準となります。

高価な製品ほど効果が高いとは限りません。1ヶ月あたりのコストはいくらかかるのか、1日あたりの価格に換算するといくらになるのかを計算してみましょう。

ただし、単に価格が安いだけで選ぶのは危険です。安価な製品の中には、グリシンの含有量が少なかったり、品質管理が不十分であったりするケースも考えられます。これまで解説してきた「含有量」「サポート成分」「品質」といった要素とのバランスを考え、総合的なコストパフォーマンスに優れた製品を選ぶことが、賢い選択と言えるでしょう。

【2024年版】おすすめのグリシンサプリ7選

ここまでの選び方のポイントを踏まえ、数ある製品の中から特におすすめのグリシンサプリメントを7つ厳選してご紹介します。各製品の特徴や成分を比較し、ご自身にぴったりのサプリを見つけるための参考にしてください。

製品名 主な特徴 グリシン含有量(1日目安) その他のサポート成分 形状 GMP認定
味の素「グリナ」 グリシンサプリのパイオニア。機能性表示食品としての実績と信頼性。 3,000mg 粉末スティック
ファイン「グリシン3000&テアニン200」 グリシンとテアニンの黄金比。GABAも配合し、多角的に睡眠をサポート。機能性表示食品。 3,000mg L-テアニン 200mg、GABA 100mg 粉末スティック
DHC「グリシン」 大手メーカーならではの品質と手軽さ。シンプルな配合で始めやすい。 3,000mg 粉末スティック
オリヒロ「快眠サプリ」 グリシンに加え、ラフマ、GABA、テアニンを配合した複合タイプ。粒で手軽。機能性表示食品。 500mg ラフマ由来ヒペロシド/イソクエルシトリン 各1mg、GABA 100mg、L-テアニン 50mg 粒タイプ
アサヒ「ネナイト」 L-テアニンが主成分の機能性表示食品。起床時の疲労感や眠気を軽減。 L-テアニン 200mg 粒タイプ
マルハニチロ「グッスミン 酵母のちから」 清酒酵母が主成分。深い眠りをサポートし、すっきりした目覚めへ。機能性表示食品。 S-アデノシルメチオニン(SAMe) 14mg カプセル
ユーワ「グリシン3000 テアニン200」 高配合のグリシンとテアニン。コストパフォーマンスに優れた選択肢。 3,000mg テアニン 200mg 粉末スティック

※上記の情報は2024年6月時点の各社公式サイト等に基づいています。ご購入の際は最新の情報をご確認ください。

① 味の素「グリナ」

グリシンによる睡眠サポートを世に広めた、まさにパイオニア的存在の製品です。長年のアミノ酸研究で知られる味の素株式会社が開発した機能性表示食品であり、その信頼性と実績は群を抜いています。「すみやかに深睡眠をもたらし、ぐっすりとした眠りとさわやかな目覚めをサポートする」機能が報告されており、純粋なグリシンの効果をしっかりと試したい方にまずおすすめしたい製品です。グレープフルーツ風味のスティックタイプで飲みやすいのも特徴です。(参照:味の素ダイレクト株式会社 公式サイト)

② ファイン「グリシン3000&テアニン200」

睡眠サポート成分として実績のあるグリシン3,000mgとL-テアニン200mgをダブルで配合した、非常に強力な機能性表示食品です。さらにGABAも100mg加えることで、多角的に睡眠の質にアプローチします。グリシンの「深部体温低下作用」と、テアニンの「リラックス作用」の相乗効果が期待でき、ストレスや考え事で寝付けない方に特におすすめです。品質管理の国際規格であるISO9001認証やGMP認定を受けた自社工場で製造されており、品質面でも安心できます。(参照:株式会社ファイン 公式サイト)

③ DHC「グリシン」

高品質で低価格なサプリメントで知られるDHCのグリシンサプリです。1日目安1本でグリシンを3,000mgしっかり摂取できるシンプルな配合ながら、続けやすい価格設定が魅力です。大手メーカーならではの品質管理と安心感もあり、「まずはグリシンを試してみたい」という方の入門用としても最適です。飲みやすいグレープフルーツ風味の粉末スティックタイプです。(参照:株式会社ディーエイチシー 公式サイト)

④ オリヒロ「快眠サプリ」

本製品は、グリシンだけでなく、リラックス効果が期待される「ラフマ」、そして「GABA」「テアニン」を組み合わせた複合タイプの機能性表示食品です。グリシンの含有量は500mgと他の製品に比べて控えめですが、ラフマ由来成分が「睡眠の質(眠りの深さ)の向上に役立つ」と報告されています。複数の成分で総合的にアプローチしたい方や、粉末が苦手で粒タイプが良い方におすすめです。大手健康食品メーカーのオリヒロがGMP認定工場で製造しており、品質も確かです。(参照:オリヒロ株式会社 公式サイト)

⑤ アサヒ「ネナイト」

こちらはグリシンではなく、L-テアニンを主成分とした機能性表示食品です。L-テアニン200mgが、「起床時の疲労感や眠気を軽減すること」が報告されています。グリシンとは異なるアプローチで睡眠の質に働きかけるため、グリシンで効果を感じにくかった方や、特に朝の目覚めの悪さに悩んでいる方が試してみる価値のある製品です。アサヒグループの製品という安心感もあります。(参照:アサヒグループ食品株式会社 公式サイト)

⑥ マルハニチロ「グッスミン 酵母のちから」

水産や食品で有名なマルハニチロが開発した、「清酒酵母」を主成分とするユニークな機能性表示食品です。清酒酵母に含まれる「S-アデノシルメチオニン(SAMe)」が、深い眠りをサポートし、すっきりとした目覚めと、睡眠時間への満足感を高めることが報告されています。グリシンやテアニンとは全く異なるメカニズムで作用するため、他のサプリで満足できなかった方が試す選択肢として面白い存在です。(参照:マルハニチロ株式会社 公式サイト)

⑦ ユーワ「グリシン3000 テアニン200」

ファイン社の製品と同様に、グリシン3,000mgとテアニン200mgを高配合した製品です。しっかりとした成分量でありながら、比較的リーズナブルな価格設定であることが多く、コストパフォーマンスを重視する方にとって魅力的な選択肢となります。日々の継続が重要なサプリメントにおいて、品質と価格のバランスが取れた製品です。(参照:株式会社ユーワ 公式サイト)

グリシンの効果を高めるための生活習慣

朝に太陽の光を浴びる、日中に適度な運動をする、就寝前のカフェインやアルコールを控える、寝る90分前までに入浴を済ませる、就寝前のスマートフォンやPCの使用を避ける

グリシンサプリは質の高い睡眠を得るための強力なサポーターですが、その効果を最大限に引き出すためには、サプリだけに頼るのではなく、日々の生活習慣を見直すことが不可欠です。ここでは、グリシンの効果を高め、より良い睡眠サイクルを作るための基本的な生活習慣をご紹介します。

朝に太陽の光を浴びる

私たちの体には、約24時間周期でリズムを刻む「体内時計(サーカディアンリズム)」が備わっています。この体内時計が乱れると、夜になっても眠れなかったり、朝すっきりと起きられなくなったりします。

この体内時計をリセットする最も強力なスイッチが「朝の太陽光」です。朝起きたら、まずカーテンを開けて15~30分ほど太陽の光を浴びる習慣をつけましょう。光の刺激が脳に伝わると、精神を安定させるホルモン「セロトニン」の分泌が活発になります。そして、このセロトニンは、約14~16時間後に睡眠を促すホルモン「メラトニン」に変化します。

つまり、朝に光を浴びることが、夜の自然な眠りのための準備となるのです。グリシンによる入眠サポートと組み合わせることで、よりスムーズに眠りにつけるようになります。

日中に適度な運動をする

日中に体を動かすことも、夜の快眠に繋がります。ウォーキングやジョギング、ヨガなどの適度な運動は、心地よい疲労感を生み出し、睡眠への欲求(睡眠圧)を高めます

また、運動は体温を一時的に上昇させますが、夕方頃までに運動を終えておくと、夜にかけて体温が下がる際の落差が大きくなり、深部体温の低下を助けて眠気を誘いやすくなります。さらに、運動にはストレス解消効果もあり、リラックスした状態で眠りにつく手助けにもなります。

ただし、注意点として、就寝直前の激しい運動は逆効果です。交感神経が活発になり、体温も上昇してしまうため、脳と体が興奮状態になってしまいます。運動は、就寝の3時間前までには終えるようにしましょう。

就寝前のカフェインやアルコールを控える

睡眠の質を低下させる代表的な要因が、カフェインとアルコールです。

  • カフェイン: コーヒー、紅茶、緑茶、エナジードリンクなどに含まれるカフェインには強力な覚醒作用があります。その効果は個人差がありますが、一般的に摂取後30分~1時間でピークに達し、4~6時間程度持続すると言われています。夜の睡眠を妨げないためには、遅くとも就寝の4~5時間前からはカフェインの摂取を避けるのが賢明です。
  • アルコール: 「寝酒」としてアルコールを飲む習慣がある人もいますが、これは睡眠の質を著しく低下させます。アルコールは確かに入眠を助ける効果がありますが、その後の睡眠が浅くなり、夜中に何度も目が覚める「中途覚醒」の原因となります。また、利尿作用があるため、トイレに行きたくなって起きてしまうこともあります。快眠のためには、就寝前の飲酒は控えるようにしましょう。

寝る90分前までに入浴を済ませる

就寝前の入浴は、グリシンの働きと同様に「深部体温のコントロール」に役立ちます。38~40℃程度のぬるめのお湯に15~20分ほど浸かると、体の芯まで温まり、血行が促進されます。

入浴によって一時的に上昇した深部体温は、お風呂から上がった後、徐々に低下していきます。この体温が下がっていくタイミングで眠気が訪れるため、就寝の約90分前までに入浴を済ませておくのが理想的です。熱すぎるお湯は交感神経を刺激して逆に目が覚めてしまうので注意しましょう。

就寝前のスマートフォンやPCの使用を避ける

現代人にとって最も難しい習慣かもしれませんが、非常に重要なポイントです。スマートフォンやPC、テレビなどの画面から発せられる「ブルーライト」は、睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌を強力に抑制する作用があります。

寝る直前までスマホを見ていると、脳は「まだ昼間だ」と勘違いしてしまい、体内時計が乱れて寝つきが悪くなります。また、SNSやニュース、動画などの刺激的な情報は脳を興奮させ、リラックスした状態での入眠を妨げます。

理想は、就寝の1~2時間前にはデジタルデバイスの使用をやめ、読書やストレッチ、音楽を聴くなど、リラックスできる時間を持つことです。

これらの生活習慣の改善は、グリシンサプリの効果を最大限に引き出すだけでなく、睡眠の質を根本から改善するために不可欠です。ぜひ一つでも取り入れてみてください。

グリシンに関するよくある質問

どのくらいの期間で効果が出る?、毎日飲んでも大丈夫?依存性はない?、妊娠中や授乳中に摂取しても問題ない?、他の薬やサプリと併用しても良い?

最後に、グリシンサプリメントに関してユーザーから寄せられることの多い質問とその回答をまとめました。疑問や不安を解消し、安心してグリシンを活用するためにお役立てください。

Q. どのくらいの期間で効果が出ますか?

A. 効果を実感するまでの期間には、個人差があります。

グリシンは医薬品ではないため、飲んだらすぐに眠れるといった即効性を保証するものではありません。体質や現在の睡眠の状態、生活習慣によって効果の現れ方は大きく異なります。

早い方では、摂取したその日の夜から「寝つきが良くなった」「朝の目覚めが違う」といった変化を感じることもあります。一方で、数日間から数週間飲み続けることで、徐々に睡眠の質が改善されていくのを実感する方も少なくありません。

一つの目安として、まずは2週間から1ヶ月程度、毎日継続して摂取してみることをおすすめします。その上で、ご自身の体調や睡眠の変化を観察し、継続するかどうかを判断するのが良いでしょう。

Q. 毎日飲んでも大丈夫ですか?依存性はありますか?

A. 推奨量を守れば毎日飲んでも問題ありません。また、医薬品のような依存性や習慣性はありません。

グリシンは、もともと私たちの体内で作られ、日常の食事にも含まれているアミノ酸です。そのため、睡眠薬のように脳に直接作用して強制的に眠らせるものではなく、身体が本来持っている自然な眠りのメカニズムをサポートする働きをします。

したがって、「飲まないと眠れなくなる」といった依存性が生じる心配は基本的にありません。また、長期間摂取し続けることで効果が薄れる「耐性」がつくこともないとされています。推奨されている1日の摂取目安量を守っている限り、安心して毎日の習慣として取り入れることができます。

Q. 妊娠中や授乳中に摂取しても問題ありませんか?

A. 自己判断での摂取は避け、必ずかかりつけの医師や産婦人科医に相談してください。

これは非常に重要な注意点です。妊娠中や授乳中は、お母さんの身体が非常にデリケートな時期であり、摂取したものが胎児や母乳を通じて赤ちゃんに影響を与える可能性があります。

グリシンは食品に含まれる安全な成分ではありますが、サプリメントとして特定の成分を高濃度で摂取した場合の、妊娠中・授乳中における安全性については十分なデータが確立されていません

万が一のことを考え、サプリメントの利用は控えるか、どうしても利用したい場合は、必ず専門家である医師に相談し、その指示に従うようにしてください。

Q. 他の薬やサプリと併用しても良いですか?

A. 薬を服用中の場合は、必ず医師や薬剤師に相談してください。

グリシンはアミノ酸であり、他の薬との相互作用のリスクは低いと考えられていますが、可能性がゼロとは言い切れません。

特に、睡眠導入剤、抗うつ薬、抗不安薬、抗てんかん薬など、中枢神経系に作用する薬を服用している場合は注意が必要です。グリシンの持つ鎮静作用が、これらの薬の作用を予期せず強めてしまう可能性も考えられます。

また、他の健康食品やサプリメントとの併用については、成分が重複して過剰摂取にならないように注意が必要です。どのような場合であっても、何らかの医薬品を定常的に服用している方がサプリメントを始める際には、安全を最優先し、かかりつけの医師や薬剤師に「このサプリメントを飲んでも大丈夫か」と確認することを強く推奨します。

まとめ:グリシンを正しく活用して快適な睡眠を手に入れよう

この記事では、睡眠サポート成分として注目される「グリシン」について、その効果の仕組みから安全性、効果的な飲み方、サプリメントの選び方、そしておすすめの製品まで、幅広く掘り下げて解説しました。

最後に、本記事の重要なポイントを振り返りましょう。

  • グリシンは体内で作られるアミノ酸で、深部体温をスムーズに下げることで、自然な眠りをサポートします。
  • 主な効果として、「スムーズな入眠」「深い睡眠の増加」「すっきりとした目覚め」が期待できます。
  • グリシンは安全性の高い成分ですが、過剰摂取は避け、1日3,000mgを目安に摂取することが推奨されます。
  • サプリを選ぶ際は、「含有量」「サポート成分」「形状」「品質(GMP認定など)」「価格」の5つのポイントをチェックすることが重要です。
  • サプリの効果を最大化するためには、朝の光、日中の運動、就寝前の過ごし方といった生活習慣の改善が不可欠です。

睡眠の質は、私たちのQOL(生活の質)そのものを左右する、健康の基盤です。もしあなたが今、睡眠に関する悩みを抱えているなら、グリシンサプリメントはその解決に向けた有効な選択肢の一つとなり得ます。

しかし、最も大切なのは、サプリメントを魔法の薬と考えるのではなく、あくまで自身の生活をより良くするための「サポーター」として位置づけることです。グリシンを賢く活用し、バランスの取れた生活習慣を心がけることで、心身ともに健やかな毎日を送るための、質の高い睡眠を手に入れることができるでしょう。

この記事が、あなたの快適な睡眠ライフの実現に向けた一助となれば幸いです。